「バケモノの子」がひどいと言われる5つの理由と”それでも名作”と評価される魅力を徹底解説

あなたは「バケモノの子ってひどいって聞くけど、実際どうなの?」と気になっていませんか?結論から言うと、『バケモノの子』には批判される理由がある一方で、何度も見返したくなるほどの深い魅力を持った作品です。この記事では「ひどい」と言われる具体的な理由から、作品の本当の価値まで徹底的に解説します。ぜひ最後まで読んでください。

1.「バケモノの子」がひどいと言われる主な理由

1.「バケモノの子」がひどいと言われる主な理由

『バケモノの子』は2015年に公開され、興行収入58.5億円を記録した大ヒット映画です。

しかし、その一方でネット上では「ひどい」「つまらない」という声も少なくありません。

ここでは、なぜ「バケモノの子」がひどいと言われてしまうのか、その主な理由を整理していきます。

単なる好みの問題ではなく、物語の構造やキャラクターの描き方に原因があることがわかります。

後半のストーリー展開が急すぎて感情がついていかない

「バケモノの子」がひどいと言われる最大の理由は、後半の展開が急すぎるという点です。

前半では、9歳の少年・九太(蓮)がバケモノの熊徹に弟子入りし、渋天街で少しずつ成長していく過程が丁寧に描かれています。

この前半パートは「心温まる師弟物語」として非常に高く評価されています。

ところが、九太が17歳に成長してからの後半は、人間界への帰還、楓との出会い、父親との再会、一郎彦との戦いと、重要なイベントが一気に詰め込まれます。

そのため、「前半の丁寧さはどこへ行ったのか」「感情がついていかない」と感じる観客が多いのです。

前半と後半のテンポの落差こそが、「バケモノの子はひどい」という評価につながっている最大の要因と言えるでしょう。

一郎彦の闇落ちが唐突に感じられる

物語のクライマックスで敵役となる一郎彦の「闇落ち」が唐突に見えるという批判も多くあります。

一郎彦は猪王山の息子として登場し、礼儀正しく実力のある優等生として描かれていました。

しかし終盤になって突然「心の闇」に飲まれ、巨大なクジラとなって渋谷を破壊するという展開になります。

この急変に対して、「なぜあの一郎彦が急に暴走するのか理解できない」「動機が薄い」という声が上がっています。

実は一郎彦は人間の子どもでありながら、その事実を隠されてバケモノの世界で育てられたという背景があります。

しかし、その葛藤が映画の中で十分に描写されていないため、観客には唐突な展開に映ってしまうのです。

ヒロイン・楓が「いらない」と批判される理由

「バケモノの子」の批判で非常に多いのが、ヒロインである楓に対する「いらない」「うざい」という意見です。

楓は九太が人間界に戻った際に出会う女子高生で、九太に勉強を教え、人間界での生活を支える存在です。

しかし、終盤の九太と一郎彦の戦いのシーンで、楓は「逃げろ」と言われても九太のそばを離れません。

その姿が「足手まとい」「戦闘シーンの緊張感を壊している」と感じる視聴者が多かったのです。

さらに、闇に飲まれた一郎彦に向かって長い説教をするシーンも、「何も知らないのに偉そう」と反感を買う原因になっています。

ただし、楓がいなければ九太は実の父親と再会できず、心の闇にも負けていた可能性があります。

楓の存在意義を理解するには、表面的な行動ではなく「人間界への橋渡し役」としての設計意図を読み取る必要があるのです。

結末に納得できないという声が多い

「バケモノの子」の結末に対する不満の声も、「ひどい」という評価につながっています。

物語のラストでは、一郎彦を止めるために熊徹が付喪神に転生し、九太の胸の中の剣になるという結末を迎えます。

熊徹は神様になることで物理的にはこの世から消えてしまい、二度と元の姿で九太と会うことはできません。

このエンディングについて、「せっかく築いた師弟関係なのに、一緒に暮らすハッピーエンドが見たかった」「熊徹がいなくなるのは寂しすぎる」という感想が多く寄せられています。

また、九太が最終的に人間界で生きることを選ぶ展開も、「渋天街の仲間たちとの絆はどうなるの?」という疑問を残します。

結末の切なさが感動につながる人もいれば、消化不良に感じる人もいるという、評価が分かれやすいラストなのです。

2.「バケモノの子」の声優がひどいと言われる理由とキャスト評価

2.「バケモノの子」の声優がひどいと言われる理由とキャスト評価

「バケモノの子 ひどい」と検索すると、ストーリーへの批判と並んで目立つのが声優に対する不満です。

本作では、プロの声優ではなく俳優がメインキャストを務めていることが、賛否両論を呼んでいます。

ここでは、キャスティングに対する批判の背景と、実際の評価を詳しく見ていきましょう。

俳優起用が賛否を呼ぶ細田守監督のキャスティング方針

細田守監督は『時をかける少女』以降、メインキャストに俳優を積極的に起用するスタイルを取っています。

この方針は『おおかみこどもの雨と雪』でも同様で、「バケモノの子」に限った話ではありません。

細田監督は「アニメの声は声優さんだけのものではない」「俳優の持つリアルな感情表現がキャラクターに深みを与える」という考えを持っています。

しかし、アニメファンの中には「プロの声優を使ってほしい」「俳優のアフレコは棒読みに聞こえる」という根強い不満があります。

特に「バケモノの子」はアクションシーンが多い作品であるため、声の演技に迫力や感情の起伏が求められ、俳優起用の是非がより問われやすい作品でした。

染谷将太・広瀬すずの演技に対するリアルな評価

「バケモノの子」で特に声優がひどいと言われやすいのが、成長した九太役の染谷将太さんとヒロイン・楓役の広瀬すずさんです。

染谷さんについては「演技は素晴らしい俳優だが、声だけの演技になると少し硬い」という意見があります。

広瀬さんについても「声質は合っているが、感情が高ぶるシーンでやや棒読みに聞こえる」という指摘が見られます。

ただし、これは初のアニメアフレコであったことを考慮すべき部分もあります。

一方で、「自然体の演技がキャラクターにリアリティを与えている」「声優っぽくない声が逆に良い」という肯定的な意見も少なくありません

声優の評価は好みに大きく左右されるため、一概に「ひどい」と断定できるものではないのです。

役所広司・宮﨑あおいなど高評価だったキャストもいる

「バケモノの子」の声優が全員ひどいわけではなく、高く評価されているキャストも多いことは見逃せません。

熊徹を演じた役所広司さんは、粗暴だけど愛嬌のある熊徹のキャラクターを見事に表現し、多くの視聴者から絶賛されています。

幼少期の九太を演じた宮﨑あおいさんも、少年の孤独感や強がりを繊細に演じ、違和感がないと好評でした。

さらに、一郎彦役の宮野真守さんはプロの声優としての実力を発揮し、「さすがの演技力」と安定した評価を得ています。

百秋坊役のリリー・フランキーさん、多々良役の大泉洋さんも、それぞれのキャラクターに合った味のある演技で作品に彩りを添えています。

つまり、「声優がひどい」という評価は一部のキャストに集中しており、作品全体のクオリティを否定するものではないと言えるでしょう。

3.ひどいだけじゃない!「バケモノの子」が名作と評価される魅力

3.ひどいだけじゃない!「バケモノの子」が名作と評価される魅力

「バケモノの子 ひどい」という声がある一方で、「何度見ても泣ける」「人生で大切な映画」と語るファンも大勢います。

ここでは、批判だけでは語り尽くせない『バケモノの子』の本当の魅力について掘り下げていきます。

熊徹と九太の不器用な師弟関係が描く新しい親子像

「バケモノの子」の最大の魅力は、何と言っても熊徹と九太の関係性です。

熊徹は粗暴で不器用で、弟子の一人もいないダメなバケモノとして描かれています。

対する九太も、母を亡くし親戚にも馴染めない孤独な少年です。

この「欠けた者同士」が出会い、ぶつかり合いながら互いに成長していく姿が、多くの観客の心を掴みました。

細田守監督は制作のきっかけについて、「自分に男の子が生まれて、現代において子供は誰が育てていくのだろうと考えた」と語っています。

血のつながりがなくても親子のような絆は築けるというメッセージは、多様な家族のあり方が広がる現代において、多くの人の胸に響くテーマです。

熊徹が教え方を知らず、九太が師の動きを見て真似ることで自然と学んでいく過程は、まさに「不器用な子育て」そのものなのです。

「胸の中の剣」に込められた作品テーマの深さ

「バケモノの子」を語る上で欠かせないのが、「胸の中の剣」というキーワードです。

修行を始めた頃、九太がコツを聞くと熊徹は「胸の中の剣を握るんだ」と言いますが、抽象的すぎて9歳の九太にはまったく伝わりません。

しかし物語を通じて九太は、大切な人との絆や、自分自身の芯となるものを見つけていきます。

そして最終的に、熊徹自身が付喪神として九太の「胸の中の剣」となることで、このセリフが文字通りの意味を持つことになります。

「胸の中の剣」とは、自分を支えてくれた人々との絆そのものであり、それがあるからこそ人は闇に飲まれずにいられるという力強いメッセージが込められています。

この伏線が最後に回収される構成は、一見シンプルに見えて非常に深い設計がなされているのです。

興行収入58億円超え・日本アカデミー賞受賞の実力

「バケモノの子」がひどいという声がある一方で、数字が証明する評価は無視できません。

本作の最終興行収入は58.5億円、観客動員数は459万人を超え、細田守監督作品の中で当時最大のヒットとなりました。

前作『おおかみこどもの雨と雪』の最終興行収入42.2億円を大きく上回る記録です。

さらに、第39回日本アカデミー賞では最優秀アニメーション作品賞を受賞しています。

第63回サン・セバスティアン国際映画祭ではアニメ映画として初めてコンペティション部門に選出されるなど、海外でも高く評価されました。

これだけの実績を持つ作品が「ひどい」の一言で片付けられるものではないことは明らかです。

賛否があるからこそ、多くの人が語りたくなる作品であるとも言えるでしょう。

2回目の鑑賞で評価が変わる伏線と構成の巧みさ

「バケモノの子」は2回目以降の鑑賞で評価が大きく変わる作品として知られています。

初見では一郎彦の闇落ちが唐突に感じられますが、2回目に見ると序盤から一郎彦の「空洞さ」が伏線として丁寧に描かれていることに気づきます。

たとえば、猪王山が一郎彦を厳しく育てながらも本当のことを伝えていない不自然さや、一郎彦が九太を見つめる視線の意味などです。

また、チコが要所要所で九太を守ろうとする行動にも、初見では見過ごしがちな意味が隠されています。

「バケモノの子がひどいと思ったけど、2回目で泣いた」という感想は非常に多く、伏線を知った上で見ることで作品の印象が一変するのです。

もし一度見て「ひどい」と感じた方は、ぜひキャラクターの表情や行動に注目しながら再鑑賞してみてください。

4.「バケモノの子」をより楽しむための考察ポイント

4.「バケモノの子」をより楽しむための考察ポイント

「バケモノの子」には、一度見ただけでは気づきにくい深い設定やメッセージが散りばめられています。

ここでは、作品をより深く楽しむための考察ポイントをご紹介します。

チコの正体は何を象徴しているのか

「バケモノの子」で多くのファンが気になるのが、九太のそばにいつもいる白い小さな生き物・チコの正体です。

公式にはチコの正体は明かされておらず、さまざまな考察がされています。

最も有力な説は、九太の亡くなった母親が転生した姿という説です。

その根拠として、チコが跳ねたり飛んだりするときに母親の声が聞こえるシーンがあること、そして8年経っても姿が変わらないという不思議な点が挙げられています。

また、劇中でチコは九太以外のキャラクターとの絡みがほとんどなく、「九太の意識の中だけに存在する精神的な支え」なのではないかという説もあります。

細田監督は「アクション映画なので、どこかほっとできるパートナーが必要だった」とコメントしていますが、チコが持つ象徴的な意味は、母親の無償の愛が形を変えて九太を見守っているということなのかもしれません。

九太と一郎彦の対比で見える「心の闇」のメッセージ

「バケモノの子」のテーマを最も深く理解するには、九太と一郎彦の対比構造に注目する必要があります。

九太と一郎彦は、実はどちらも人間でありながらバケモノの世界で育ったという共通点を持っています。

しかし、九太には熊徹という不器用でも本音でぶつかってくれる存在がいました。

一方の一郎彦には、立派だけれど真実を隠し続ける父・猪王山しかいませんでした。

「芯を作ってくれる大人に出会えたかどうか」が、二人の運命を分けたのです。

九太が闇に飲まれずにいられたのは、熊徹や百秋坊、多々良、楓といった多くの人とのつながりがあったからです。

一郎彦の悲劇は、愛されていたにもかかわらず「本当の自分」を知らされなかったことにあります。

この対比が伝えるメッセージは、「人は一人では闇に勝てない。他者との本音のつながりこそが心の強さになる」ということです。

細田守監督が「バケモノの子」に込めた制作意図とは

「バケモノの子」を深く理解するためには、細田守監督自身の想いを知ることが重要です。

細田監督は、自分に息子が生まれたことをきっかけに「現代において子供は誰が育てていくのか」を考え始めたと語っています。

本当の父親だけでなく、師匠や友人、地域の大人など、さまざまな人が子どもの成長に関わるという考えが、本作の根底にあります。

熊徹は「完璧な親」ではありません。

むしろ乱暴で教え方も知らない、子どもっぽいバケモノです。

しかし、そんな不完全な大人でも子どもと一緒に成長できるということ、そして子育ては「教える」ことではなく「一緒に生きる」ことだという監督の信念が作品全体に込められています。

また、「バケモノの子」というタイトルには「人は誰しもバケモノの子である」という意味も込められており、完璧ではない誰かに育てられた私たち全員への肯定のメッセージでもあるのです。

まとめ

  • 「バケモノの子」がひどいと言われる最大の理由は、後半のストーリー展開の急さにある
  • 一郎彦の闇落ちは唐突に見えるが、実は序盤から伏線が張られている
  • ヒロイン・楓は「いらない」と批判されがちだが、九太の人間界復帰を支える重要な存在である
  • 声優が「ひどい」という評価は一部のキャストに集中しており、役所広司や宮野真守などは高評価
  • 熊徹と九太の不器用な師弟関係が描く「新しい親子像」が本作最大の魅力
  • 「胸の中の剣」は他者との絆の象徴であり、作品の核となるメッセージ
  • 興行収入58.5億円、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞の実力作
  • チコの正体は九太の亡くなった母親が転生した姿である可能性が高い
  • 九太と一郎彦の対比から「心の芯を作ってくれる大人の存在」の大切さが伝わる
  • 2回目の鑑賞で評価が一変する、伏線と構成の巧みさを持った作品

『バケモノの子』は、一度見ただけでは「ひどい」と感じてしまうかもしれません。

しかし、キャラクターの背景や監督の意図を知った上で見返すと、そこには血のつながりを超えた深い親子愛と、「人は一人では生きられない」という力強いメッセージが込められています。

ぜひ、この記事を読んだ後にもう一度『バケモノの子』を鑑賞してみてください。

きっと、前とは違った感動が待っているはずです。

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